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RUEEDらアーティストが『ヨコスカレゲエバッシュ2024』に込めた未来への想い【当日インタビュー】ASOUND、KonRyu (Youth of Roots)、ZENDAMAN、OGA (JAH WORKS)

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RUEED人が発起人である「ヨコスカレゲエバッシュ」が、今年も横須賀・三笠公園で開催された。昨年の約2倍にあたる、のべ4万人を2日間で動員。「未来への種蒔き」のコンセプトにふさわしく、ASOUND、KonRyuなど20代の若手アーティストから、日本レゲエシーンを率いてきたHOME GROWN、PUSHIMなどのベテラン勢までが熱いパフォーマンスを繰り広げ、家族連れが目立つ会場に向け未来へのポジティブなメッセージを届けた。

TIAMiesは、主催RUEEDや、出演アーティストであるASOUND、KonRyu (Youth of Roots)、ZENDAMAN、OGA (JAH WORKS)にインタビューを行い、彼らの想いや未来への展望を聞くことができた。

YOKOSUKA REGGAE BASH 2024(ヨコスカレゲエバッシュ)

日程:9月22日(日)~ 23日(月・祝)
会場:三笠公園(〒238-0003 神奈川県横須賀市稲岡町82)
Yokosuka Reggae Bash: 公式サイト / Instagram / YouTube

 

RUEED「レゲエが放ってるメッセージいうのは、今の時代にすごく必要な言葉だったりするので、そこが響いたらいいなと思います。」

「一番のコンセプトが『未来への種蒔き』なんで、自分がそうだったみたいに、このレゲエバッシュというイベントを通じて、特に子供たちの選択肢が広がったり、新しい発見があったり、彼らの世界が広がるきっかけになれたらいいなと思っています」と、イベントに込めた次世代への愛が伝わるコメント。RUEED自身、10代でレゲエに出会い、Mighty Crown主催の国内最大規模のレゲエフェス「横浜レゲエ祭」の「Road to 横浜レゲエ祭」にて史上最年少で優勝するなど、人生が大きく変わった経験がある。

また、今の時代において「情報が溢れすぎていること」を指摘する。「『分かった気になっちゃいがち』の時代だと思うんです。もっとリアルに体験して、自分が感じた素直な気持ちとか感情を大事にしていくのが重要だと思うし、それによって世界が広がっていくかな。もっともっと自由にやりたいことを、素直にできるようになっていってもらえたらなと。」と、今を生きる若者たちに向け「リアルな体験」の大切さを強調した。

さらにRUEEDは、出演するASOUNDやYouth of Rootsなどの未来を担うアーティストたちに対し期待と信頼を寄せる。「彼らを見て、自分もこういうことをやりたいって思ってくれる若者が増えるといいですね。僕のライブもそうだし、このヨコスカレゲエバッシュ全体もそうですけど、ポジティブな種を蒔けたらと思います」。

「レゲエが発するメッセージは、今の時代にすごく必要な言葉だと思います。それが少しでも響いてくれたら嬉しいですね」。と締めくくり、未来へと繋いでいくべきレゲエの持つ力を再確認させてくれた。

 

ASOUND「レゲエのバトンをつないでいただいたように、自分たちもバトンをつなげていくために。」(ARIWA)

ヨコスカレゲエバッシュ初参加となるASOUND。観客にフレッシュなエネルギーを届けると同時に、新進気鋭のレゲエシーンをリードする存在として、確かなインパクトを残した。

ボーカルのARIWA(Vo.Tr.)はライブ直後に「ちゃんと続けてきたおかげで、レゲエを代表する方々と肩を並べて」と語り、結成から4年を迎えた今年、仲間たちとともに出演できたことの喜びを滲ませる。レゲエバッシュの会場、三笠公園には、家族連れや走り回る子どもたちの姿も多く見られた。さらに下の年代に対して「(先輩たちから)レゲエのバトンをつないでいただいたように、自分たちもバトンをつなげていくために。―子どもたちがレゲエを好きになるきっかけになれるように、(自分たちが)この年代を代表するアーティストになれるように、頑張っていきたいです」と、責任感と未来への希望を込める。

ドラマーのManawは、「ピースフルで、グッドバイブスなフェスだなという印象。出演者として、皆さんにとっていい思い出になるようなライブにできたらと」と出演にあたり考えていたことを話し、Couta(Key.)は、「明るくて、音楽が好きで集まっている人たちが多いな」と会場の雰囲気を感じ取りながら、少し緊張しつつも笑顔を見せた。

さらに、2024年7月にデジタルリリースされたアルバム『Lovely Freak』に参加したASOUNDメンバーと同世代のギタリストKannon Priceは、レゲエシーンの変化を実感している、「20代でレゲエをやる人たちが10年前とかは、ほんとに全然いなかったと思う。自分たちだったり、Youth of Rootsとか、いろんな若いバンドが増えているおかげで、客層も伴って若くなってるんじゃないかと思う」と、再び活気を帯びる日本のレゲエシーンに対する期待感を表した。

最後にSoma(Ba.)は、音楽性にもメッセージ性にも「生きていくうえで」大切ことが詰まっているとして、演奏者として感じる深いレゲエの魅力を語り、インタビューを締めくくった。

 

ZENDAMAN「他にもこんなイベントが増えたらいいなと、自分も未来への種蒔きという想いでやってます」

サプライズ出演で登場したのが、ジャマイカと日本を行き来し活動しており、YouTubeチャンネル「Zenda Mi Zenda」でも話題をあつめるZENDAMAN。彼のエネルギッシュなパフォーマンスで、日も暮れていくなか会場はさらに熱気を帯びた。

ライブ後、「自分もイベントをやったりしたりしているんですけど、『未来への種蒔き』っていうかたちで、無料で、いろんなアーティストを呼んでっていうのを、アーティスト自身がやっているっていう動きが、新しいし、ラガだし、カッコいいなって思います」と、RUEEDが動かすヨコスカレゲエバッシュのユニークなコンセプトに共感している様子が伺えた。

パフォーマンス中は、会場をぶち上げることしか考えてなかったというが、「それで結果的に、レゲエいいなってみんなに思ってもらえるように」と、今後さらにレゲエシーンを活気づけていきたいという意欲を感じさせた。

さらに、「バイオレンスとか、妬みとかそんなものじゃなくて、ポジティブなバイブスをみんなで広げていこうって」と、自らが掲げている「ネオトキワムーブメント」についても触れ、レゲエミュージックを通してさらに下の世代に対しメッセージを残していくことの重要性を強調する。

最後に、「ヨコスカレゲエバッシュは、もちろん最高なんで」と、昨年で終わりを迎えた『横浜レゲエ祭』と、それを新たなかたちで届けるRUEEDへのリスペクトを語ったうえで、2025年2月にひかえる「ロッコンレゲエ祭」について「俺は俺で、もう一回1から始めて、若いみんなでクリエイトしていこうっていうのでやってて」と話す。「他にもこんなイベントが増えたらいいなと、自分も未来への種蒔きという想いでやってます。」と、ロッコンレゲエ祭がさらに次のムーブメントをつながっていくことを見据える。

ZENDAMAN Presents『ロッコンレゲエ祭』は、2025/2/22(土) 横浜ベイホールにて開催。ZENDAMAN、 ロッコン師匠、Chozen Leeほか、アルバム『ネオトキワ』にも参加している ARIWA(ASOUND)、Jr. Santa、 U the Starr、 Yoppy、SOMAJ、TanziIなどが出演する。

ZENDAMAN Presents ロッコンレゲエ祭 

日程:2025年2月22日(日)
開場・開演:OPEN 15:00/START 16:00
会場:横浜ベイホール
チケット情報:6,500円(スタンディング|ドリンク代別)
購入はこちら:https://eplus.jp/rokkonreggaesai/ 

 

KonRyu「ここが始まりだなと思って、ポジティブな何かの始まりだなと」

「バイブスを上げることに全力をささげようと思って歌ってました」と、ライブを終えた直後のKonRyu(Youth of Roots)にも話を聞くことができた。ルーツロックレゲエバンドYouth of Rootsは、レゲエの精神性と音楽性を現代に伝える存在として注目を集めており、フロントマンのKonRyuはジャマイカで音楽を学んだ次世代の伝道師だ。

「俺が10歳の時に葉山のオアシスでRUEEDとRUDEBWOY FACEとトリプルRでライブしたことがあったり」と、幼少期からRUEEDとの活動を振り返る。また、横須賀という地元に近い場所での開催は、KonRyuにとっても感慨深いものだったようだ。

テーマ曲(REGGAE BASH)にフィーチャリングしてくれたり、最終日の良い時間にやらせてくれたりして、愛しか感じないですね。本当に嬉しいです。これからも、マジでRUEED、ビゴ(bigup)」と、深い感謝の気持ちを語る。

ライブ中にKonRyuが観客に向けて発した言葉にも、未来に向けた彼の強いメッセージが詰まっていた。「目指すはワンビックツリー」「俺たちが愛をもって団結すれば、できないことなんて何もないよ」「より豊かで幸せな世界を次の世代につなげるために」との言葉から、彼の音楽はただのエンターテイメントではなく、愛と団結を通じて次世代にポジティブな影響を与える手段であることが伝わる。

コンセプトの未来への種蒔きだが、今日で終わらせるのではなく、水をやり育てていくことの大切さを語っていたKonRyu。「ここが始まりだなと思って、ポジティブな何かの始まりだなと」と、未来への期待を込めた。

最後に、同世代の若者や観客に向けて、とにかく、Rise and Shine、高く昇って光ろう。それで、バビロンシステムじゃなくて、ザイオンシステム。グッドバイブスなシステムをどんどん広げていけたらいいと思っているので、みんな協力お願いします」と語った。

 

OGA「それ(レゲエの背景)を知って自分たちの世代で吸収して、どう生かしていこうかっていうのを考えてもらえたら嬉しいです」

「初参加なんですけど、話は聞いてたんで。でも想像以上でしたね。続けてほしいなと」と、老舗サウンドシステムJAH WORKSに所属するセレクターOGAは、初参加のヨコスカレゲエバッシュと横須賀の雰囲気を楽しんでいる様子を見せた。大阪出身のOGAだが、大阪と横須賀のレゲエスタイルには違いがあると感じたようで、「横須賀のほうがシュッとしてる」「大阪はコテコテしている」と対比して語った。

2023年ジャマイカ最大規模のレゲエクラッシュ『Sumfest』にも出場。現地のイベントでも高く評価されている、スピリチュアリティーを大切にするOGAだが、選曲スタイルは、ダンスホールからルーツ、ヒップホップまで幅広いジャンルをカバーしている。さらに、毎週水曜日には5000人以上の視聴者を集める人気ラジオ番組「OGA WORKS RADIO」も手掛けている。

「いま、日本では時代が変わってきていて、総理大臣も変わるし、あまり豊かとは言えないとき。じゃあ何で元気を送るかってときには、やっぱり音楽かなって」と、OGAは音楽が社会の困難を乗り越えるための重要な手段だと語る。

「みんなが元気になれば、もっと世の中が明るくなる。そして、その明るさが広がれば、世界を変えることができるんじゃないかと思います」と続け、レゲエも苦難の時代にジャマイカの人々を支えてきた音楽であること、そしてOGA自身が世界各地で体験してきたレゲエの影響力が、彼のコメントに反映されていることが伺える。

さらに、「レゲエがどういう背景でスタートしたのか、もちろん知ってもらえたらうれしいし」と、音楽としてだけでなく、レゲエが持つメッセージに目を向けてほしいと語り、「それを知って自分たちの世代で吸収して、どう生かしていこうかっていうのを考えてもらえたら嬉しいです」と続けた。レゲエの背景を理解することが、現代を生き抜くための糧となることを示唆し、インタビューを締めくくった。

ヨコスカレゲエバッシュ2024は、「未来への種蒔き」というテーマを通じて、音楽が持つ無限の可能性を示した。次世代への愛や希望、ポジティブなエネルギーが詰まった2日間は、アーティストたちの熱い思いと観客の感動が織りなす特別な空間となった。このイベントをきっかけに、さらに多くの人々がレゲエの魅力を感じ、次の世代へとその思いが受け継がれていくことを願ってやまない。RUEEDの地元・横須賀から広がるレゲエの波は、きっと新たな未来を切り拓いていくだろう。

 

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